2.被保険者(1)

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     それでは、どういう方が公的年金制度に加入しなければならないのか、または加入できるのかをお話しします。

     

     加入しなければならない方や加入できる方を被保険者といいますが、国民年金では次の3種類が決められています。

     

     

    被保険者の資格。(国民年金法第7条)

     

    ー,粒胴罎里い困譴に該当する者は、国民年金の被保険者とする。(第1項)

     

       1)第1号被保険者。(第1号)

     

       2)第2号被保険者。(第2号)

     

       3)第3号被保険者。(第3号)

     

     

     

     

    第2号被保険者について ・・・

     

     第2号被保険者から取り上げた方がわかりやすいと思いますので、第2号被保険者からお話しします。第2号被保険者というのは次のように決められています。

     

     

    被保険者の資格。(国民年金法第7条)

     

    ー,粒胴罎里い困譴に該当する者は、国民年金の被保険者とする。(第1項)

     

        1)厚生年金保険の被保険者(以下、「第2号被保険者」)。(第2号)  

     

     

    統計 〜 『平成24年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』より

     

    第2号被保険者の被保険者数   ・・・ 約4,039万人。(前年度末比約72万人増)

     

    8生年金保険の被保険者数  ・・・ 約3,599万人。(前年度末比約72万人増)

     

      【 内 訳 】    男 性 : 約2,293万人。(前年度末約36万人増)

               女 性 : 約1,306万人。(前年度末比約35万人増)

     

    ざ済組合の被保険者数 ・・・ 約441万人。(前年度末比約1万人減)

     

     【 内 訳 】    男 性 : 約277万人。(前年度末比変動なし)

                女 性 : 約164万人。(前年度末比約2万人増)

     

    ※以上の数値は平成26年度(2014年)末現在の数字です。

    ※端数処理により総数と内訳の合計数とが合わない場合があります。

     

     

     

     平成27年(2015年)9月以前はまだ共済組合が年金制度としてはありましたので、第2号被保険者は厚生年金保険や共済組合に加入している方のことを言っていました。

     

     

     第2号被保険者について注意しなければならないのは、転職をしたときです。いったん会社を退職をして日をおかずに次の会社に勤務する場合はいいのですが、次の会社で働くまでの間にブランクがある場合は注意が必要です。

     

     

     会社を退職(厚生年金保険の被保険者の資格喪失)することで第2号被保険者から第1号被保険者になります。次の会社に勤務するまでは第1号被保険者ということになり、次の会社に新規採用(厚生年金保険の被保険者の資格取得)になったら再び第2号被保険者となります。この第1号被保険者になる手続きは役所などで自分で行わなければなりません。

     

     

     この方に扶養されている配偶者で第3号被保険者に当てはまる方がいる場合には、この第3号被保険者の方も一緒に第1号被保険者になりますので、同様の手続きが必要です。

     

     


    1.年金のしくみ(20)

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       多くの厚生年金基金では運用利回りを制度当初から比較的高めの5.5%でしたが、この運用利回りを引き下げても不足額は保険料の引き上げなどの運用以外で穴埋めしなければなりません。

       

       

       代行部分を国に返上するにはその代行部分の資金を返済し、積立不足を解消する必要があります。その資金力が母体の企業になければ、解散も代行部分の返上もできないということになります。

       

       

       さらに代行部分以外の給付や保険料・掛金の変更については、加入者や受給者の3/4以上の賛成が必要です。

       

       

       中小零細企業が多い総合型の厚生年金基金の場合、構成する企業でそれぞれ分担しますが、その企業の資金力が不足している場合が多く、多数の企業体から構成されていることもあり、意思統一も難しい状況のようです。

       

       

       このような状況に対して厚生労働省では厚生年金基金の廃止する方向を固めたと平成24年(2012年)9月に報道されました。このまま制度を存続させると赤字や不足額がふくらんで厚生年金制度全体に悪影響を及ぼすよりは厚生年金基金を廃止した方がまだいいとの判断によります。

       

       

       ただし、厚生年金基金を解散するには、厚生年金保険の不足分の全額を国に返還する必要がありますが、この返済額が厚生年金基金を解散を難しくしていました。

       

       

       そこで厚生労働省では不足が生じた分については、厚生年金保険の積立金で補てん・穴埋めする考えですが、厚生年金基金に加入していない被保険者などの積立金を流用することに強い反対意見や異論もありました。

       

       

       自民党が政権に返り咲いた後、平成24年(2012年)8月に年金機能強化法が成立しました。正式名称は「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」といいますが、長いので以下、「年金機能強化法」とします。

       

       この法律で厚生年金基金については平成25年(2014年)6月26日から1年を超えない範囲で施行されることが次のように定められました。

       

       

       

      年金機能強化法で決まった厚生年金基金の今後について。(厚生労働省の資料より抜粋)

       

      ‖限蓋生年金基金。

       

      1)この法律(公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚 生年金保険法の一部を改正する法律)による改正前の厚生年金保険法の規定により設立された厚生年金基金であってこの法律 の施行の際現に存するものは、この法律の施行日以後も、存続 厚生年金基金としてなお存続する。(改正法附則第4条関係)

       

      2)年金給付等積立金の額が責任準備金相当額を下回っている存続 厚生年金基金が一定の要件を満たして解散する場合、責任準備金相当額の特例及び納付の猶予の特例を5年間の時限措置として認める。(改正法附則第11条〜第13条関係)

       

      3)清算型基金の指定。

       

      a)施行日から起算して5年を経過する日までの間に限り、 厚生労働大臣は、その事業の継続が著しく困難なものと して政令(省略)で定める要検討に適合する存続厚生年金基金を、あらかじめ社会保障審議会の意見を聴いた上 で、清算型基金として指定することができる。(改正法附則第19条第1項〜第3項関係)       

       

      b)年金給付等積立金の額が責任準備金相当額を下回っている清算型基金が解散した場合、責任準備金相当額の特定及び納付の猶予の特例を5年間の時限措置として認める。(改正法附則第20条〜第24条関係)

       

      4)施行日前に解散した特定基金について責任準備金相当額の納付 の猶予の特例を認める。(改正法附則第30条〜第32条関係)

       

      5)施行日から起算して5年を経過した日以後において、存続厚生年金基金が一定の基準に該当するときは、厚生労働大臣は、あらかじめ社会保障審議会の意見を聴いた上で、その存続厚生年金基金の解散(清算型解散)を命ずることができる。(改正法附則第33条関係)

       

      6)存続厚生年金基金の残余財産を確定給付企業年金または独立行政法人退職金共済機構に交付できる。(改正法附則第35条及び第36条関係)   

       

       

      存続連合会。    

       

      1)改正前の厚生年金保険法の規定により設立された企業年金連合会であってこの法律の施行の際現に存するものは、施行日以後も、存続連合会としてなお存続するものとする。(改正法附則第37条関係)

       

      2)存続連合会は、存続厚生年金基金の中途脱退者等またはその遺 族について存続連合会の老齢給付金または遺族給付金の支給を行うこと等の業務を行う。(改正法附則第40条第1項関係)

       

      3)存続連合会の解散等。       

       

      a)存続連合会は、連合会の成立の時において、解散する。(改正法附則第70条第1項関係)

       

      b)存続連合会が解散した場合における残余財産の処分の方法その他の存続連合会の解散等に関する規定の整備を行う。(改正法附則第70条第2項〜第75条関係)

       

       

      O合会の業務の特例

      ・・・ 連合会は、改正後の確定給付企業年金法の規定による業務のほか、基金中途脱退者等について存続連合会から残余財産の交付を受けて年金たる給付または 一時金たる給付の支給等を行うことができる。(改正法附則第78条関係)

       

       

      に\上の措置等

      ・・・ 政府は、施行日から起算して10年を経過する日まで、存続厚生年金基金が解散しまたは他の企業年金 連合会等に移行し、及び存続連合会が解散するよう検討し、速やかに法制上の措置を講じる。

       

       

      セ温諭覆海硫正の全体像)

      ・・・ 厚生年金基金制度の見直し。 (厚生年金保険法等の一部改正)

       

      1)施行日以後は厚生年金基金の新設は認めない。

       

      2)施行日から5年間の時限措置として特例解散制度を見直し、分割納付における事業所間の連帯債務を外すなど、基金の解散時に国に納付する最低責任準備金の納付期限・納付方法の特例を設ける。    

       

      3)施行日から5年後以降は、代行資産保全の観点から設定した基準を満たさない基金については、厚生労働大臣が第三者委員会の意見を聴いて、解散命令を発動できる。

       

      4)上乗せ給付の受給権保全を支援するため、厚生年金基金から他の企業年金等への積立金移行について特例を設ける。

       

       

       

       

       これらの取り扱いが実施される(施行される)のに伴って、存続基金の解散についての代議員の議決要件が“3/4”から“2/3”に緩和されることになっています。

       

       

       

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      (本文はここまでです)

       

       いつもお読みいただきありがとうございます。

      次回からは被保険者についてアップしていきます。

       

       

       

       

       


      1.年金のしくみ(19)

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        厚生年金基金について ・・・ 代行部分を返上した場合

         

         最近は運用利回りの不振や企業会計制度の変更などによって、この代行部分を返上、または組織自体を解散する厚生年金基金が増えています。

         

         

         厚生年金基金が国に代行部分を返上をした場合は代行部分の支給義務は国に引き継がれます。このときに代行部分の財源として最低責任準備金を国に返還することになります。

         

         

         上乗せ部分については確定給付企業年金などに移行することになります。将来この部分については確定給付企業年金に請求することになります。

         

         

         しかし、厚生年金基金が代行返上するような場合には、その厚生年金基金には上乗せ部分の年金資産が十分ではないと考えられますので、将来受け取る年金などは減額される可能性が高くなります。

         

         

         

         

        厚生年金基金について ・・・ 解散した場合

         

         

         厚生年金基金が解散した場合は代行部分の支給義務は企業年金連合会に引き継がれます。企業年金連合会に引き継がれた給付については国からの給付と同様の給付となり、それぞれの厚生年金基金による独自給付はなくなります。

         

         

         つまり、厚生年金基金から給付を受けていても、厚生年金基金が解散した場合には独自給付の全額または一部を受け取ることはできなくなってしまうのです。また、上乗せ部分の給付もなくなります。

         

         

         企業年金連合会に代行部分の資産を引き継いでもなお財産(残余財産)が残っている場合などには、その基金の加入員に分配されることになっています。

         

         

         この分配金はそのまま全額を一時金として受け取ることもできますが、企業年金連合会に移換して通算企業年金として受け取ることもできますが、一時金として受け取る場合には退職所得として課税されます。

         

         

         平成23年(2011年)8月から5年間に限って特定基金が基金を解散する場合には、厚生労働大臣に対して、責任準備金相当額の減額を申し出ることができるようになりました。(厚生年金保険法附則第33条)

         

         

         この特定基金というのは、年金給付等の積立金の総額が責任準備金相当額を下回っていると見込まれる厚生年金基金をいいます。

        そして、これに併せて特定基金が責任準備金相当額の納付の猶予も納付計画を厚生労働大臣の承認を受けた上で、認められることになりました。(厚生年金保険法附則第34条)

         

         

         


        厚生年金基金の現状と今後について ・・・

         

         厚生年金基金は、1つの企業で作る単独型、系列企業などで作る連合型、同業者の中小企業などで設立する総合型の3つの形態があります。

         

         

         平成24年(2012年)に入って投資顧問による年金資産の消失事件が起きました。この事件を受けて厚生労働省では全国の578の厚生年金基金の平成22年度(2010年度)末時点の財政状況などの調査結果を平成24年(2012年)3月に公表しました。

         

         

         この調査結果によると全体の半数超の312基金は年間の収支が赤字であり、このうち約4割の厚生年金基金が代行割れの状況になっていました。

         

         

         この“収支が赤字”というのは保険料や掛金の収入よりも支出である年金給付が上回っていることをいい、“代行割れ”とは厚生年金保険の代行部分の給付に必要な積立金が足りなくなっていることをいいます。

         

         

         保険料収入で年間の年金給付がまかなえているのは266基金で、残る312基金は年金給付(支出)が多い状態でした。この場合でも積立金が十分あれば将来の年金給付に備えることはできますが、この312基金のうち190基金は積立不足で代行割れでした。

         

         

         この190基金の中でも185基金は中小の同業者で設立する“総合型”で、そのうち11基金は純資産が厚生年金保険の給付に必要な額の7割未満しかありませんでした。

         

         

         厚生労働省の別の調査では、平成23年度(2011年度)末時点で報告のあった572基金を集計した結果、1兆1,100億円の積立不足があると公表しました。

         

         


        1.年金のしくみ(18)

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           厚生年金基金に加入していた期間が一定期間以下(厚生年金基金の規約によります)の中途脱退者の場合、基本年金の年金資産は企業年金連合会に移換され、支給開始年齢にあった際の年金給付に必要な手続きは企業年金連合会に対して行うことになります。  

           

           加算部分(脱退一時金相当額)については、脱退一時金相当額を企業年金連合会に移換して通算企業年金(代行部分を含む基本年金と一緒に)として将来受け取るか、退職時などに脱退一時金として受け取るか選択することができます。

           

           ただし、加入期間が短いなど加入している厚生年金基金の規約によっては脱退一時金が支給されない場合もあります。

           

           また、一定の要件がそろえば、転職先の厚生年金基金、確定拠出年金(企業型・個人型)や確定給付企業年金に年金資産を移喚することもできます。

           

           通算企業年金の受給権者は選択一時金や亡くなった時に死亡一時金を遺族が受け取ることができる場合があります。

           

           選択一時金は通算企業年金を受け取ることができる年齢になるまで支給されません。この“通算企業年金を受け取ることができる年齢”とは、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢と同じ年齢となっています。

           

           また、通算企業年金を受け取るようになった後でも、次にあげるような理由があり、かつ、保証期間内であればこの選択一時金を受け取ることができます。

           

           

           

          通算企業年金を受け取った後でも選択一時金を受け取ることができる理由。

           (企業年金連合会HPより)

           

            )椰佑泙燭亘椰佑属する世帯の生計を維持する人が、震災、風水害、火災等の

             災害により住宅や家財等の財産に著しい損害を受けた場合。   

           

            ∨椰佑債務を弁済することが困難な場合。   

           

            K椰佑心身に重大な障害を受けたり、長期入院を余儀なくされた場 合。

           

            い修梁勝△海譴暴腓困觧情がある場合。

           

           

           

           一方、死亡一時金は通算企業年金を受け取る前、または通算企業年金を受け取った後でも保証期間内に通算企業年金の受給権者が亡くなった場合に支給されます。

           

           

           なお、死亡一時金を除く一時金は退職所得として課税対象となり、年金については公的年金等控除の対象となります。

           

           

           加算型の上乗せ部分の掛金については従業員も拠出することができます。この場合の掛金は社会保険料控除の対象となります。  老齢厚生年金の請求は、厚生年金基金に代行されていない部分に関しては年金事務所に行いますが、代行部分や上乗せ部分に関しては、それぞれの厚生年金基金や企業年金連合会に請求しないと年金または一時金を受け取ることはできません。

           

           

           この厚生年金基金や企業年金連合会への請求がなされていない方があり、厚生年金基金の未払いの問題も発生しています。

           

           

           過去に勤務していた会社が厚生年金基金に加入していた場合には、年金を受給できる年齢にあってから日本年金機構にだけ年金の請求をしただけでは本来受け取ることができるはずの年金の全額を受け取ることはできません。厚生年金基金や企業年金連合会に年金の請求手続きをする必要があります。

           

           

           またそれまでに住所や氏名に変更があった場合には、日本年金機構だけでなく、厚生年金基金や企業年金連合会にもその旨を届け出ておく必要があります。

           

           

           変更の届出を忘れてしまうと、年金を受給できる年齢になったとしても厚生年金基金や企業年金連合会からの通知等を受け取ることができなくなりますので、注意が必要です。

           

           

           厚生年金基金からは老齢年金の他に、規約によっては遺族や障害の給付を設けることができます。

           

           

           また、厚生年金保険の取り扱いである在職老齢年金、雇用保険の給付との調整、老齢厚生年金と障害厚生年金や遺族厚生年金などとの調整なども独自の規約で定めることができます。

           

           

           


          1.年金のしくみ(17)

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            厚生年金基金について ・・・

             

             この厚生年金基金の給付は、国の年金制度である厚生年金保険の一部を代行して、その代行部分と上乗せ部分を合わせて老齢給付として支給しています。ちなみに賃金の再評価や物価によるスライドについては国から給付されることになっています。

            代行部分は老齢厚生年金と性格は同じなので、終身で受け取ることになります。

             

             

             上乗せ部分については「代行型」と「加算型」があります。この上乗せ部分は制度上は一定の制約はありますが、終身年金と確定年金の組み合わせや一時金として受け取ることもできますが、その中身については加入している厚生年金基金の規約によります。

             

             

             この上乗せ部分の運用成績が悪いので、代行部分を国に返上して、この部分の給付を別の年金制度に移す厚生年金基金が増えています。ただし、積立金が不足していて代行部分の返上がしたくてもできないという問題があります。

             

             「代行型」は代行部分と同じ方法で計算された「付加部分」が付加されます。

             

             「加算型」はその厚生年金基金独自の「加算部分」が付加されます。上乗せ部分は基本年金と加算部分からできています。

             

             

             

            統計 〜  『社会保障統計年報 平成26年版』より

            仝生年金基金。

             

            1)厚生年金基金数 ・・・ 560基金。(前年度末比17基金減)

             

            2)設立事業所数 ・・・ 106,063事業所。(前年度末比4,505事業所減)

             

            3)加入員数 ・・・ 4,203,244人。(前年度末比162,505人減)

             


            厚生年金基金の受給権者。

             

            1)件数 ・・・ 8,129,815件。(前年度末比569,047件増)

             

            2)金額 ・・・ 1,753,492,050千円。(前年度末比47,053,073千円増)

             


            1人当たりの金額。

             

            1)年金 ・・・ 215,687円。(前年度末比10,010円減)

             

            2)一時金 ・・・ 574,237円。(前年度末比21,609円減)

             

            ※以上の数値は平成24年度(2012年度)末の数字です。

             

             

             

             


            1.年金のしくみ(16)

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              動向 ・・・

               

               厚生労働省は確定給付企業年金や確定拠出年金の掛け金上限額の引き上げを厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会年金部会に平成26年(2014年)に提案しました。

               

               

               これは企業年金を充実させることで公的年金の目減り分を補てんさせて「準公的年金」としての位置づけとすることがねらいとされています。

               

               

               また平成27年(2015年)9月に厚生労働省では企業年金部会で運用リスクを労使で負担し合う新しい企業年金制度の案を示しました。これは既存の確定給付年金と確定拠出年金の中間的な性格の企業年金という位置づけという報道がありました。

               

               

               確定給付年金は企業が一定額の給付を約束するもので、もし運用によって損失が生じた場合は、企業がその損失を補填することになっています。一方確定拠出年金は運用は従業員自らが行い、運用実績による損失のリスクには従業員自身が将来受け取る老齢年金が減るという形でリスクを負うことになります。

               

               

               このたび厚生労働省が提案した新企業年金は、企業の責任で最低限の給付を保証する一方、上乗せ分が運用次第で増減することになるようです。資産運用面でも企業が主に行うが、従業員の意見も反映させる方針で、また最低保証額などは労使の話し合いによって柔軟に決められるようになるようです。

               

               

               中小企業向けの簡素な企業年金制度も同時に導入するようです。この制度は拠出額を従業員全員一律にし、運用商品も3つくらいに絞ることで、企業の管理コストの削減や、従業員の運用商品選びの手間を軽減するねらいがあるようです。

               

               

               このような制度を導入するのは、社会保障費の財政の悪化のために一人ひとりの給付を抑える方向で動いていますが、その目減り分を企業年金で補ってもらうことで、老後資金を確保するようにすることのようです。

               

               


              1.年金のしくみ(15)

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                この確定拠出年金に加入するかどうかのポイントの1つには管理手数料などのコストがあります。毎年管理手数料が徴収されますので、長期で運用していく確定拠出年金の場合には結構な金額となります。その辺りのことも考慮した方がいいかと思います。

                 

                 

                最後に以下の点について改正されることが決まっています。

                 

                 

                確定拠出年金法等の一部改正をする法律案。(厚生労働省のホームページより)

                 

                ヾ覿版金制度等について、働き方の多様化等に対応し、企業年金の普及・拡大を図るとともに、老後に向けた個人の継続的な自助努力を支援するため、個人型確定拠出年金の加入者範囲の見直しや小規模事業主による個人型確定拠出年金への掛金追加納付制度の創設、個人型確定拠出年金の実施主体である国民年金基金連合会の業務追加等の措置を講ずる。

                 


                ∧神29年(2017)年1月1日施行分。

                 

                1)確定拠出年金(DC)の拠出規制単位を月単位から年単位とする。

                 

                a)企業型確定拠出年金の掛金は、月単位で規制。(月5.5万円)


                b)前月に拠出限度額の使い残しがあった場合でも、翌月に繰り越しして掛金を拠出できない。


                c)柔軟な拠出を可能とするため、拠出の規制単位を年単位(月5.5万円→年66万円)とする。


                d)年66万円の範囲内で、賞与時に使い残し分の一括拠出等が可能。

                 

                 

                2)個人型確定拠出年金について、第3号被保険者や企業年金加入者、公務員等共済加入者も加入可能とする。

                 

                a)第3号被保険者の拠出限度額は年額27.6万円。(月額2.3万円)


                b)企業型確定拠出年金の加入者について。

                 

                         ア)規約に定めた場合に限る。
                   イ)企業型確定拠出年金のみを実施する場合は、企業型確定拠出年金への

                     事業主掛金の上限を年42万円(月額3.5万円)とすることを規約

                     で定めた場合に限り、個人型確定拠出年金への加入を認める。


                   ウ)企業型確定拠出年金と確定給付型企業年金を実施する場合は、企業型確定

                     拠出年金への事業主掛金の上限を年18.6万円(月額1.55万円)とする

                     ことを規約で定めた場合に限り、個人型確定拠出年金への加入を認める。


                c)公務員等共済加入者の拠出限度額は年額14.4万円。(月額1.2万円)

                 

                3)企業年金の手続き簡素化や国民年金基金連合会の公法業務の追加等の措置を講じる。

                 


                8鯢佞瞭から2年以内で政令で定める日に施行分。

                 

                1)事務負担等により企業年金の実施が困難な中小企業(従業員100人以下)を対象に、設立手続きを大幅に緩和した「簡易型
                DC制度」を創設。

                 

                2)中小企業(従業員100人以下)に限り、個人型確定拠出年金に加入する従業員の拠出に追加して事業主拠出を可能とする
                「個人型DCへの小規模事業主掛金納付制度」を創設。(加入者掛金に追加で、事業主が掛金拠出)

                 

                3)確定拠出年金から確定給付型企業年金等へ年金資産の持ち運び(ポートビリティ)を拡充。

                 

                a)制度間のポータビリティとは転職時等に制度間の資産移換を可能とするもの。
                b)制度間のポータビリティを拡充し、老後の所得確保に向けた継続的な自助努力を行う環境を整備。
                c)確定給付型企業年金において加入者期間が20年未満の場合は、年金として支給されない可能性がある。
                d)確定拠出年金や確定給付型企業年金の加入者期間を通算することにより、将来年金として支給を受けることができる。
                e)企業年金にかかる諸手続を、複数の制度に対して行う負担が軽減される。

                 

                4)確定拠出年金の運用の改善。

                 

                a)運用商品を選択しやすいよう、継続投資教育の努力義務化や運用商品数の抑制等を行う。


                    ア)確定拠出年金の運用については、確定拠出年金の運用自体を困難に

                      感じている者がいる等の状況。
                    イ)加入者の投資知識等の向上を図るとともに、運用商品提供数の抑制等の

                      措置を講ずることにより、運用商品をより選択しやすい環境を整備。

                 

                b)あらかじめ定められた指定運用方法に関する規定の整備を行うとともに、指定運用方法として分散投資効果が期待できる商品設定を促す措置を講じる


                    ア)現行の(1)少なくとも3つ以上の運用商品の提供義務、(2)1つ以上の元本

                      確保型商品の提供の義務について、分散投資を促すため、リスク・リターン特性

                      の異なる3つ以上の運用商品の提供義務に一本化。
                    イ)選択の失念等により運用商品を選択しない者が一定数いることを踏まえ、

                      「あらかじめ定められた指定運用方法(いわゆるデフォルト商品による運用)」に

                      関する規定を整備。

                 

                 

                 

                 

                 いままでは確定給付型企業年金しか導入していない会社に転職した場合には、今まで加入していた企業型の確定拠出年金の年金資産を国民年金基金連合会に移転をして運用指図者になるしかありませんでしたが、今後はその確定拠出年金の年金資産を転職先の確定給付型企業年金に移せることになる予定となっています。

                 

                 

                 さらに個人型に加入している従業員のための会社が掛金を拠出できたり、簡易型の確定拠出年金の制度の導入なども決まっています。

                 

                 

                 平成28年(2016年)5月に国会で確定拠出年金法改正案が成立しました。

                 

                 


                1.年金のしくみ(14)

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                   企業型の確定拠出年金の掛金について、これまでは企業が拠出した掛金を従業員が運用をするだけだったのですが、平成24年(2012年)1月1日からは従業員も掛金を拠出できるようになりました。これをマッチング拠出といいます。

                   

                   個人型は自分で掛金を納めて(拠出)、運用も自分で行います。一方、これまでの企業型は掛金は会社が出し(拠出)、運用は従業員が行います。これからは従業員も一部負担(拠出)できるようになったのです。

                   

                   そこで企業型の確定拠出年金の掛金については、一定のルールが設けられています。そのルールとは次のようになっています。

                   

                   

                  企業型の確定拠出年金の掛金のルールについて。

                   

                      企業が負担する掛金 + 従業員が負担する掛金 ) ≦ 法定されている上限額

                                                  ↓

                                         他に年金制度がある場合 ・・・ 27,500円

                                         他に年金制度がない場合 ・・・ 55,000円

                   

                   

                    企業が負担する掛金 ≧ 従業員が負担する掛金。

                   

                   

                   参考 〜 拠出限度額と他の年金制度への加入の関係

                        (厚生労働省ホームページより)

                   

                    8朕遊審猟蟲鮟佛金

                   

                     1)自営業者等(第1号加入者) ・・・ 年額81.6万円。(月額6.8万円)

                       ※実際には上記の金額から国民年金基金等の掛金を差し引いた金額が

                                    拠出限度額となる。

                   

                     2)確定給付型企業年金も企業型確定拠出年金も実施していない会社の従業員

                       (第2号加入者)

                          ・・・ 年額27.6万円。(月額2.3万円)

                   

                    ご覿鳩審猟蟲鮟佛金

                   

                     1)確定給付型企業年金の制度を実施していない会社の場合

                          ・・・ 年額66万円。(月額5.5万円)

                   

                     2)確定給付型企業年金の制度を実施している会社の場合

                          ・・・ 年額33万円。(月額2.75万円)

                   

                   

                   

                   この場合の従業員が負担する掛金は、会社の負担分の掛金と一緒に資産管理機関に納付することになり、従業員が負担した掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除として所得税などの所得控除の対象となります。

                   

                   従業員が負担する掛金の具体的な金額は、上記の要件を満たした上で、具体的な金額の選択肢(1千円から千円刻みなど)を会社側が提示することになり、その提示された金額の中から従業員が選ぶということになります。

                   

                   あくまでも具体的な「○千円」という金額の提示が必要なので、会社の負担する掛金の何%とか、給与の何%などいう提示の仕方は不可となっています。

                   

                   また、この従業員が負担する掛金は、前納や追納はできず、金額の変更は年に1回だけとなっていますので、注意が必要です。

                   

                   


                  1.年金のしくみ(13)

                  0

                     

                    確定拠出年金について ・・・ 企業型  

                     

                     一方、確定拠出年金の企業型は毎月の掛金は企業が拠出し、その運用は従業員自身が行い、運用実績によって将来の給付額が決まることになります(マッチング拠出については後述)。

                     

                     確定拠出年金の企業型に加入している場合、企業側にも加入者側にもメリットやデメリットがあります。

                     

                     企業側のメリットしては、確定給付企業年金では生じる可能性がある積立金不足がこの確定拠出年金制度では発生しないこと、確定拠出年金制度を導入していることで福利厚生面をアピールできることなどです。

                     

                     企業側のデメリットとしては、個人別に年金資産を管理しなければならないことや、従業員に対し継続した投資教育をしなければならないので、確定給付企業年金より運用管理コストが高くなる可能性があります。

                     

                     従業員側のメリットとしては、先ほどの税制のメリットの他には、外部に資産を積み立てることになるので、自分が現在勤務している会社がたとえ倒産しても年金資産は保全されることなどがあります。

                     

                     また、一定の条件(勤続3年以上など)を満たせば、離職や転職しても自分の年金資産を自由に持ち運べ、年金資産を移し替えながら税制のメリットを継続して受けることができます。これを「ポータビリティ」(後述)といいます。

                     

                     従業員側のデメリットとしては、資産運用のリスクは加入者である従業員自身が負うことになります。運用成績がたとえ悪くても企業などからの損失の補填はありません。運用結果次第では老後の資金設計が立たないようなことにもなりかねません。

                     

                     自らが選択した運用商品で老後まで運用することになりますが、運用商品としては、預貯金、投資信託、株式、公社債、保険などの中から特徴の異なる3つ以上の運用商品(元本を確保する商品を1つ含むこと)を選定して、従業員に提示することになっています。

                     

                     中途解約できるのは、通算した加入期間が3年以下や年金資産が50万円以下だったり、企業型年金や個人型年金の資格を失ってから2年経っていないことなどの条件があります。その場合は脱退一時金を受け取ることになりますが、一時所得として課税されます。

                     

                     中途解約ができない期間は、掛金が拠出できずに運用を指示するだけの“運用指図者”となります。運用指図者として運用を続けることになります。これは企業型も個人型も同じです。

                     

                     この確定拠出年金の制度は、第3号被保険者や共済組合に加入している公務員の方は加入はできないので注意が必要です。ただし、私立学校教職員共済制度の加入員は確定拠出年金に加入できます。

                     

                     例えば、確定拠出年金の制度があった会社を退職して、第3号被保険者や公務員になった場合には、運用指図者となり掛金は拠出できず運用を指図するだけになります。  確定拠出年金の制度があった会社を退職した場合には、その後の転職先の会社も確定拠出年金の企業型を導入している場合には、その企業型に資産を移します。

                     

                     転職先の会社が確定拠出年金の企業型導入していなかったり、確定給付型企業年金しか導入していなかったり、自営業者や無職などになったりした場合には、その方の年金資産は国民年金基金連合会に移換の手続きをして、運用だけを続けることになります。(運用指図者)

                     

                     もしこの国民年金基金連合会に移換の手続きをせずにそのまま放置したままにしておくと、半年後に現金化した後に自動的に国民年金基金連合会に移換されてしまいます。(自動移換者)

                     

                     その後は利息がつかないまま、資産の中から管理手数料(51円/月)が差し引かれ続けます。この退職後の手続をせずに放置されている資産が平成24年度(2012年度)末時点で総額約822億円になっています。また平成25年度(2013年度)末現在、約43万5千人が退職後自分の積立金を放置しています。

                     

                     また、企業型の場合には確定拠出年金の規約により一定の加入資格を定めることができるので、その資格に当てはまらない方は確定拠出年金には加入できません。ただし、不当に差別的な取扱いはしてはならないことになっていますので、注意が必要です。

                     

                     


                    1.年金のしくみ(12)

                    0

                       

                      確定拠出年金について ・・・ 個人型

                       

                       

                       国民年金の第1号被保険者は個人型(第1号加入者)に加入することになります。加入時の申請や掛金の納付などは国民年金基金連合会を通じて行います。

                       

                       

                       国民年金基金に加入している方や付加年金を納めている方でも確定拠出年金(個人型)に加入することはできますが、付加年金の保険料、国民年金基金の掛金やこの個人型の確定拠出年金の掛金の合計で月当たり68,000円が上限となっています。

                       

                       

                       また確定拠出年金の企業型や厚生年金基金などの対象でない個人型に加入の人(第2号加入者)については月額23,000円が掛け金の上限となっています。

                       

                       

                       個人型で問題になってくるのが金融機関選びです。確定拠出年金制度でかかってくるコストとしては加入時や移換時にかかってくる費用と毎年金融機関に支払う費用とがあります。

                       

                       

                       個人型は国民年金基金連合会を通じて加入することになりますが、この国民年金基金連合会に支払う費用はどの金融機関を選んでもほぼ同じです。  異なるのは各金融機関に支払費用ですが、事務手数料(主に口座管理料)、投資信託に対する信託報酬(普通に購入する場合より少額の場合が多い)が主なものだと思われます。

                       

                       

                       金融機関選びはこれらのコストと商品リストの豊富さなどだけでなく、運用期間(60歳になるまでの期間)、月当たりの掛金、運用に対する考え方(元本確保中心で行うのか、多少のリスクも取るのかなど)等々を勘案して金融機関を選ぶことをお勧めします。

                       

                       

                       

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